人間科学研究科 修士課程
修業年限 2年 | 入学定員 10名 | 取得可能学位 修士(人間科学) |
生命科学、心理学、教育学、社会学、コミュニケーション学、被害者学といった周辺諸科学の英知を集め、複眼的に人間理解に努めることのできるカリキュラムを整えています。
また、学際的な人間科学を大学院で学ぶために必要となる、基礎知識、技能を身につける「人間科学の方法論研究」「人間科学合同演習」などの科目を充実させています。
また、学際的な人間科学を大学院で学ぶために必要となる、基礎知識、技能を身につける「人間科学の方法論研究」「人間科学合同演習」などの科目を充実させています。
研究領域/カリキュラム
共通
- 人間科学の方法論研究
- 人間科学研究法基礎論
- 人間科学合同演習
- 人間科学合同特別演習
- 人間科学文献研究Ⅰ
- 人間科学文献研究Ⅱ
- 修士論文研究
- 修士論文特別研究
第Ⅰ領域「人間科学」
人間を身体や心理、社会という観点から実証的に捉えて、人間と人間がつくる社会についての研究を行います。人間の発達と適応について、心理学的ないし教育学的に分析をします。また、人間のつくる集団、組織の構造と機能、それを支えるコミュニケーションについて解明します。それらの研究で得た知見を、現代社会の問題解決につなげることを、目指します。
- 生命科学特論
- 生命科学演習
- 心理学特論Ⅰ
- 心理学特論Ⅱ
- 心理学特論Ⅲ
- 心理学特論Ⅳ
- 心理学演習Ⅰ
- 心理学演習Ⅱ
- 教育学特論Ⅰ
- 教育学特論Ⅱ
- 教育学特論Ⅲ
- 教育学特論Ⅳ
- 教育学演習Ⅰ
- 教育学演習Ⅱ
- 社会学特論
- 現代社会学特講Ⅰ
- 現代社会学特講Ⅱ
- 被害者学特論
- 社会学演習Ⅰ
- 社会学演習Ⅱ
- 産業・労働社会学特論
- 産業・労働社会学演習
- コミュニケーション論特論
- コミュニケーション学特論Ⅰ
- コミュニケーション学特論Ⅱ
- コミュニケーション論演習
- マス・コミュニケーション論特論
- マス・コミュニケーション論演習
第Ⅱ領域「臨床心理学」
教育、福祉、医療界をはじめ、行政機関や企業で活躍する臨床心理士を養成します。(公財)日本臨床心理士資格認定協会から第1種指定大学院として指定されており、修了後すぐに臨床心理士試験の受験資格が得られます。また、公認心理師受験資格取得カリキュラムにも対応しています。
- 臨床心理学特論Ⅰ
- 臨床心理学特論Ⅱ
- 臨床心理面接特論Ⅰ(心理支援に関する理論と実践)
- 臨床心理面接特論Ⅱ
- 臨床心理査定演習(心理的アセスメントに関する理論と実践)
- 臨床心理査定特別演習
- 臨床心理基礎実習
- 臨床心理実習Ⅰ(心理実践実習)
- 臨床心理実習Ⅱ
- 臨床心理学研究法特論
- 臨床心理学演習
- 臨床人格心理学特論
- 臨床発達心理学特論(教育分野に関する理論と支援の展開)
- 臨床家族心理学特論(家族関係・集団・地域社会における心理支援に関する理論と実践)
- 公衆衛生科学特論(保健医療分野に関する理論と支援の展開A)
- 臨床精神医学特論(保健医療分野に関する理論と支援の展開B)
- 障害者(児)心理学特論(福祉分野に関する理論と支援の展開)
- 産業・労働分野に関する理論と支援の展開
- 司法・犯罪分野に関する理論と支援の展開
- 心の健康教育に関する理論と実践
- 心理療法特論
- ケース・カンファレンス特論Ⅰ
- ケース・カンファレンス特論Ⅱ
- ケース・マネジメント実習Ⅰ(心理実践実習)
- ケース・マネジメント実習Ⅱ(心理実践実習)
ダイバーシティ地域共創教育プログラムについて
- 本教育プログラムの科目には、ダイバーシティに関する幅広い視点を提供するものから、最新のダイバーシティ・マネジメントに関するものまで、豊富な内容が用意されています。
- 学生は、自分の専門領域に加えて、本教育プログラムを履修します。所定の修了要件を満たした学生には、自分の専門領域の修士号に加えて、本教育プログラムの修了証が授与されます。
研究指導教員一覧
2025年6月現在 ※2026年退職予定の教員も含まれます。
第Ⅰ領域
教員名 | 専門 |
中原 史生 教授 | 動物行動学、比較認知科学 |
文堂 弘之 教授 | 経営学、金融・証券論 |
水嶋 陽子 教授 | 家族社会学、社会老年学 |
申 紅仙 教授 | 産業・組織心理学、人間工学、安全心理学 |
千手 正治 教授 | 犯罪学、被害者学、刑事法 |
砂金 祐年 教授 | 政治学、行政学、公共政策論 |
第Ⅱ領域
教員名 | 専門 |
渡辺 めぐみ 教授 | 認知臨床心理学 |
馬塲 久美子 教授 | 臨床心理学、家族心理学、異常心理学 |
樫村 正美 准教授 | 臨床心理学、医療心理学、感情心理学、家族心理学 |
学位授与の流れ
公認心理師(国家資格)の受験資格について
本学(常磐大学大学院、常磐大学)は、公認心理師法施行規則第二条に定める「公認心理師となるために必要な科目」に対応する授業科目を配置しています。
<公認心理師の受験資格を得るには>
大学(本学では人間科学部心理学科)で心理学その他公認心理師となるために必要な科目を修めて卒業し、かつ、大学院(本学では人間科学研究科人間科学専攻修士課程第Ⅱ領域)において心理学その他公認心理師となるために必要な科目を修めてその課程を修了することで、公認心理師試験の受験資格が得られます。詳しくは厚生労働省のホームページ等を参照してください。
<公認心理師の受験資格を得るには>
大学(本学では人間科学部心理学科)で心理学その他公認心理師となるために必要な科目を修めて卒業し、かつ、大学院(本学では人間科学研究科人間科学専攻修士課程第Ⅱ領域)において心理学その他公認心理師となるために必要な科目を修めてその課程を修了することで、公認心理師試験の受験資格が得られます。詳しくは厚生労働省のホームページ等を参照してください。
修了生のキャリア
2024 年3月修了 人間科学研究科 人間科学専攻 修士課程 第Ⅲ領域 (2026年カリキュラム:第Ⅱ領域) 田中 真鈴 さん 勤務先:牛久市 教育支援課 教育センターきぼうの広場 |
大学院で身につけたスキルを
活かして子ども一人ひとりに
向き合い支えたい
市が運営する教育センターで、児童の発達検査を中心に支援を行っています。大学院での実習で様々な方と関わる中で、幼少期に抱えていた不安や苦労を話す方が多いことに気づき、「子どもの頃の適切な支援が、その後の不安や困難を減らすことにつながるのではないか」と思い、この職場を選びました。保護者の方や学校の先生方から、子どもたちのどんな点に不安を感じているのかを丁寧に聞き取り、検査を行い、その結果と合わせて今後の支援の方向性をお伝えしています。公認心理師と臨床心理士の二つの資格を持っていることが、支援を行う上での信頼感につながっていると感じます。大学院では常磐大学の学生約200人を対象に、「大学生の楽観性と悲観性」というテーマで研究を行いました。結果の分析には苦労しましたが、このとき身につけた統計的な分析技法は、仕事での検査結果の解釈や、フィードバックの仕方に直結していると感じます。学生時代、疑問点は先生方にいつでも相談できる雰囲気があり、助けていただいた場面が何度もありました。実習を重ねる中で、苦手意識のあったコミュニケーションへの抵抗も少しずつ薄れていきました。今は子どもたちの笑顔や、支援を経て学校に通えるようになった姿を見るたびにやりがいを感じています。
在学生の声
人間科学研究科 人間科学専攻 修士課程 第Ⅱ領域1年 君和田 七海 さん [常磐大学 人間科学部 心理学科 出身] |
実践的学びが
自分の中に根付いていくのを
実感する毎日
常磐大学で心理学を学ぶうちに「人の役に立ちたい」という思いが強くなり、さらに専門的な学びを深める必要があると感じて大学院への進学を決意しました。内容の奥深さにはじめは戸惑うこともありましたが、先生方が寄り添いながら丁寧に指導してくださるおかげで、研究に取り組むごとに自分の成長を実感できるようになりました。実践を意識した学びが、現場で役立つ力として少しずつ自分の中に根付いてきているのを感じています。自分の経験を振り返り、また、社会の状況を見ていく中で、異なる立場や考え方を持つ人同士が打ち解けるにはどうすればよいのか考えるようになり、その解決法としての「非暴力コミュニケーション」に興味を持ちました。現在は、それを実践するための練習方法に関する研究を行っています。まだ国内では研究例が少ないため、自分の研究がこの分野の発展に少しでもつながればと思っています。相手の立場に立って共感することは、口で言うほど簡単ではありません。熟練の先生方でも常に最適な支援の方法を探し続けていますし、時代によって人の悩みも変わります。自分と相手の考えを整理しながら、より良い関わり方を模索する姿勢を大切にし、目の前の相手を支えるコミュニケーションをしていきたいと考えています。
教員の声
人間科学研究科 人間科学専攻 修士課程 第Ⅰ領域 申 紅仙 教授 専門:産業・組織心理学、人間工学、安全心理学 |
基礎力をふまえた多様な視点で、
社会で活用できる力を培う
第Ⅰ領域の「人間科学」では、人間は発達過程でどのように成長し、社会の中でどう適応していくのかを心理学、教育学、行動科学の分野から解き明かします。私は産業・組織心理学、人間工学、安全心理学の複合領域を担当し、働く人を対象に心理学的視点からサポート、研究をしています。これまで医療、建設業、製造業、災害といったフィールドに関わってきました。現在は労働災害によって亡くなる人が徐々に減っています。企業に対する意識喚起やアドバイスなどの広がりと安全に関わる方々の努力の賜物であり、研究のやりがいを感じています。
常磐は多様な領域の先生方が揃い、幅広い視点から学ぶことが可能です。例えば合同演習で心理学領域の研究成果の発表でも、経営学や法律行政の先生方の意見を伺うことができます。それは多様な視点からの指摘に耐えうる深い学びにつながります。人生100年時代と言われ、70歳定年が取り沙汰される現在、さまざまな視点を得てキャリア形成を考えることが重要です。学びへの好奇心が旺盛で、実践力を備えた方を同士としてお迎えしたい。そして研究を深め、社会で活用できる力を培ってください。
常磐は多様な領域の先生方が揃い、幅広い視点から学ぶことが可能です。例えば合同演習で心理学領域の研究成果の発表でも、経営学や法律行政の先生方の意見を伺うことができます。それは多様な視点からの指摘に耐えうる深い学びにつながります。人生100年時代と言われ、70歳定年が取り沙汰される現在、さまざまな視点を得てキャリア形成を考えることが重要です。学びへの好奇心が旺盛で、実践力を備えた方を同士としてお迎えしたい。そして研究を深め、社会で活用できる力を培ってください。
人間科学研究科 人間科学専攻 修士課程 第Ⅱ領域 渡辺 めぐみ 教授 専門:認知臨床心理学 |
求められる現象を捉える
繊細な感受性と論理的思考、
そして曖昧さを問い続ける姿勢
私の研究テーマは認知臨床心理学で、不安やうつ、トラウマなどの問題に、注意力の観点からアプローチしています。これまで臨床で注意力テスト(ストループテスト)を行ったところ、不安症やうつ、トラウマを持つ人は特有の傾向が見られます。そこで注意力を切り替えるためのセラピーを身につけて実践するとともに、エビデンスの蓄積を図っています。私は長く臨床現場にいましたが、今後は人材育成に力を入れたいと考え、大学院で教鞭を執るようになりました。第Ⅱ領域「臨床心理学」では全員が公認心理師、臨床心理士をめざします。現場では知識やスキルとともに、臨床家として人間的な豊かさや誠実さが求められます。目の前の人がどのように苦しみ悩んでいるのか、現象を捉える繊細な感受性とそれらの現象を論理的に構築できる思考が必要です。ただ、臨床では論理にまとめられない現象も少なくありません。その曖昧さを受け入れ、わからないことを考え続けられる根気強さも重要です。本学は臨床心理士養成大学院1種に指定されており、最短2年間で臨床心理士資格試験の受験資格が取得可能です。社会経験のある方やリスキリングをお考えの方にも門戸を開いています。ぜひ研究を深め、社会で役立つ有用な力を培ってください。
学長・研究科長メッセージ
「人間研究」を核に幅広い領域を横断して学び、
多様な視点から人間と社会を探究します。
学長 下村 裕
本研究科では、「人間研究」を核に据え、様々な領域の垣根を超えて幅広い領域を横断する総合的な履修法を取り入れています。そのため、一人の学生に対して、研究指導教員に加え、副研究指導教員などによる多様な視点から指導を行っています。
いろいろな分野の教員の知見や助言を得て、科学的に洞察することにより複眼的に人間を考究できることが本研究科の大きな特徴です。
さらに学内では実践知を養う環境が整っており、経験豊富な教員が実践的な指導を展開しています。複雑化する現代社会で新たに生じる多種多様な問題を学際的な視点から分析し、人間や社会を科学的に理解したい人はその研究をぜひ深めていきましょう。
いろいろな分野の教員の知見や助言を得て、科学的に洞察することにより複眼的に人間を考究できることが本研究科の大きな特徴です。
さらに学内では実践知を養う環境が整っており、経験豊富な教員が実践的な指導を展開しています。複雑化する現代社会で新たに生じる多種多様な問題を学際的な視点から分析し、人間や社会を科学的に理解したい人はその研究をぜひ深めていきましょう。
人間に関わる現象を学際的視点から解明します。
人間科学研究科長 水嶋 陽子
人間科学研究科は心理学、社会学、教育学などの人間を研究対象とする諸科学の立場から、人の営みの究明をめざしています。一つのテーマを研究する際、さまざまな学際的な視点を理解した上で専門を深められることが大きな特徴です。その学びを可能にするためにメンターリーダー制をとり、メンターである主の指導員とリーダーである副の指導員を配置。複数指導体制でバランス良く学べるシステムをとっています。修士課程の第Ⅰ領域では、人間が生まれてから成長し老いていく過程を時間の相の下に捉えたり、個人と集団、組織など空間の相の下で人間の抱える課題を捉えたりして、人間そのものや人間の作り出す諸現象を研究対象としています。第Ⅱ領域は、心理職の専門家を育成し、修了生の多くが公認心理師・臨床心理士の資格を取得し臨床の現場で活躍しています。社会のあり方が変化する現代、学部を卒業した方、また、仕事で蓄積した経験を学問的に捉えなおしたいという方にも開かれた大学院です。これまでにも社会経験のある方が学び、再び社会に戻られて研究を還元しています。研究したい分野の基礎をしっかり学んだ上で、さらに研究対象への理解を深めようという皆さんを心よりお待ちしています。
施設紹介
心理臨床センター
公認心理師・臨床心理士の養成・訓練などの教育活動、心理臨床に関する研究活動を行う機関です。また、“地域や社会に開かれた大学”の機関として、「心の悩み」を抱える、あらゆる世代の人びとを支援する心理相談活動も行っています。
動物心理学研究棟
人間科学研究の一環として動物心理学実験を行い、感覚・知覚・学習能力などの科学的理解を深めるために設けた研究エリアです。動物の種類別に実験室があり、実験制御室とデータ処理室には、解析用のパソコンを導入しています。
▼ 大学院専用研究フロア[Q棟4階] |
パソコン室
(共同研究室)
大学院生専用のパソコン室です。研究、調査、論文執筆にいつでも利用できます。
(共同研究室)
大学院生専用のパソコン室です。研究、調査、論文執筆にいつでも利用できます。
個人デスク
(共同研究室)
一人ひとりに専用のキャレルデスクがあり、個人の研究スペースとして利用できます。
(共同研究室)
一人ひとりに専用のキャレルデスクがあり、個人の研究スペースとして利用できます。
修学支援
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