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TOKIWAの実学


地域とつながる

産官学のパートナーシップで地域の課題解決を実践

Special Talk_vol.01(水戸市 ×トキワ)

常磐大学の学生は日頃から、地元の水戸市とともに地域活性のための活動に取り組んでいます。ここでは大学OBの市職員、市役所に内定した学生が高橋水戸市長を訪ね、その思いに耳を傾けました。

写真左▶ 卒業生
石井 勉さん 水戸市役所職員
2013年3月 地域政策学科卒業(現:総合政策学科)
茨城県 大子清流高等学校出身
写真中▶ 水戸市長
高橋 靖さん
水戸市議会議員、茨城県議会議員を経て、2011年より現職。3期目
写真右▶ 在学生
弓野 里奈さん 水戸市役所 内定
現代社会学科4年
茨城県 水城高等学校出身

人を育てる未来への投資プロジェクト

弓野 私は水戸市出身で、梅まつりや黄門まつりに参加するたびに水戸愛が大きくなりました。常磐大学に進学後は、水戸まちなかフェスティバルや水戸黄門漫遊マラソンにボランティアで参加し、市民の方と交流する中で、生活をサポートする仕事に就きたいと考え、水戸市役所を就職先に選びました。2022年の春からお世話になりますので、よろしくお願いします。

石井 私の場合は大学3年の時に東日本大震災を経験し、自助共助もさることながら公助の部分で役に立ちたいと考えました。ちょうど所属するゼミでも県内外の政策コンペに参加する機会があり、就職は水戸市役所を希望しました。入庁してからは建設計画課、防災・危機管理課を経て茨城国体に携わりました。現在は茨城県庁に出向して廃棄物関連の仕事をしています。

高橋 心強いですね。現在、水戸市は「第6次総合計画-みと魁プラン-」を元に、4つの重点プロジェクト「未来への投資プロジェクト、いきいき健康プロジェクト、災害に強いまちづくりプロジェクト、魅力・活力アッププロジェクト」を遂行しています。中でも未来への投資プロジェクトでは、保育園の定員拡大や小学校開放学級待機児童の解消、子ども医療費助成の18歳までの拡充など、子育てをしやすい環境を整えています。ただし、まだまだ十分ではなく、生活困窮や格差の広がりの中で対策が必要なところがあります。2022年4月からは「こども部」を創設し、出産から育児・教育など、子ども・子育てに関して一元化したサービスを提供したいと考えています。

柔軟なアイデアを持つ若い力に期待

高橋 同時に変化の時代に災害や感染症のリスクなど、新たな課題が行政に降りかかっています。さらに価値観が変化し、例えば多様性を認め合う社会、カーボンニュートラルやデジタル化といった新しい仕組みを導入する必要があります。そのため、水戸市ではまず4月からデジタルイノベーション課を起ち上げ、デジタル化を進めます。これにより市役所内の業務効率化だけでなく、市民生活のデジタル化に取り組んでいきます。新型コロナのワクチン接種の予約の際、電話とスマートフォンでは歴然と差が出てしまい、ご不便をおかけしました。デジタル普及の加速化に力を入れる必要があったという反省があります。これからは柔軟な発想ができる若い方の意見を取り入れ、多方面からのさまざまな提言を形にしていきたいと思っています。

弓野 先日、大学の富田学長に水戸市役所への就職を報告しましたところ、「高橋市長は若い人の意見を聞いてくれる方だから、何でも話してみるといいわよ」と言われました。今年の3月16日に発生した地震の際も、高橋市長はTwitterでさまざまな情報を発信されていましたが、常に水戸市のことを考えているのですか。

高橋 危機管理については常に念頭に置いています。地震でも台風でも現場の正確な情報を吸い上げて指示を出すことは重要な仕事です。何かあれば、すぐに初動態勢を整えられるよう、私も職員も準備はできています。

弓野 市長から情報発信で、私たちは安心して過ごすことができます。私も早く仕事を覚えて、市民のお役に立ちたいと思います。

積極的に社会と関わる常磐の学生若年層のシンクタンクの役割も

高橋 水戸市は別ですが、残念ながら日本の組織には「出る杭を打つ」という悪しき習慣が残っている場合があります。私は「出る杭は打つな」と戒めています。水戸藩主の徳川斉昭の撰文による弘道館記では「衆思を集めて群力を宣ぶ」と謳われています。みんなの意見を集めて組織の力を宣ばしていこうと、180年前から言われているわけですね。

石井 さすが徳川御三家の水戸ですね。私は約10年間市役所にいますが、若い職員の意見を聞いてもらえるようになってきていると感じています。実際、防災やごみの分別に関する住民の方への説明会では、マニュアル通りに話をするだけではなく、少しでも理解していただけるように、若手職員も具体的な事例を示し工夫しています。

高橋 それはありがたいです。多くの若い職員が現場で奮闘していることは私も知っています。職員だけでなく、水戸の魅力は人であり、何かあれば助け合える仲間です。新型コロナの影響で飲食店が苦境に立ったときには、イベントを開催するなど、何かできないかという気持ちを持つ人が多くいらっしゃいます。同じように、常磐大学の学生さんに水戸市のボランティアに関わってもらう中で、また、私が客員教授として授業を通して接する際、皆さんが主体性や自主性をしっかり身につけていらっしゃると感じています。特にボランティアや政策提言会などに積極的に参加してくださいます。若い方の意見や考え方を探る点ではシンクタンク的な役割を果たしています。今後も常磐大学さんとは一緒に水戸市を盛り上げる仲間として期待をしていますので、よろしくお願いします。

弓野 こちらこそ、どうぞよろしくお願いします。

石井 今日はありがとうございました。

Special Talk_vol.02(水戸医療センター ×トキワ)

常磐大学看護学部はキャンパスが水戸医療センターの敷地内にあり、病院と連携した最先端の教育を受けることが可能です。看護部長、学部長、学生の3人がそれぞれの立場でトキワの看護教育を語りました。

写真左▶ 水戸医療センター 看護部長
一家 順子さん
写真中▶ 常磐大学 看護学部長
坂間 伊津美 教授
写真右▶ 在学生
田上 仁香さん 水戸医療センター 内定
看護学科4年 茨城県 水戸第二高等学校出身

産官学のパートナーシップで地域の課題解決を実践

坂間 2018年4月に開設した看護学部は、準備段階からこれまで県内3つの国立病院機構をはじめ、地域の多くの関係者からご支援をいただきました。特に水戸医療センターの皆さまには「基礎看護学」や「成人看護学」などの臨地実習でいつも丁寧に学生に関わっていただいています。また専門基礎科目の「疾病と治療論」や「臨床病理学」「臨床薬理学」などの授業講師を派遣していただき、病院全体で学生を育ててもらっています。お陰様でこの春に第1期生85名を社会に送り出すことができました。田上さんもその一人ですね。

田上 はい、私は常磐大学に水戸医療センターと連携した看護学部が新設されると聞いて進学しました。実際に入学すると1年次から水戸医療センターで実習があり、学年が上がるにつれて、自分自身の成長を実感できました。念願叶って内定をいただき、入職を控えて緊張しています。

一家 常磐大学の看護学部が同じ敷地内に併設され、実習に来られる学生さんの数も一番多く、20数名が4月から職員として仕事を開始します。身近な大学であり、すでに実習を通して病院内を知り、その上で選んでいただいたことは、私たちにとっても心強い限りです。

卒後教育プログラムで安心のキャリア形成

坂間 特にこの2年間はコロナ禍で、医療現場が大変な状況にもかかわらず、学びの継続に尽力いただきました。ありがとうございます。

一家 コロナ禍の実習ではさまざまな工夫が必要でしたが、それでも1年次から実習に参加していただけたことで、臨床看護の知識と技術を身につけ、着実に成長をできたと思います。

田上 3年次の実習がコロナの緊張感のある時期で、私たちは患者さんが安心して治療に専念できる環境づくりの必要性を感じました。

坂間 そうでしたね。感染状況に対応しながらの実習でしたが、卒後教育でさまざまなプログラムを用意していただいていますので、私たちは安心して学生を送り出すことができます。

一家 国立病院機構では入職後の統一プログラムがあり、レベルに対応した看護教育を行っています。1年間の研修終了後は、自分の看護を振り返る発表会を行います。私が聞いても新人看護師が1年間で大きく成長していることがわかります。2年目になれば後輩看護師の支援ができるようになります。常磐大学は病院と隣接しているので、何かあれば大学の先生方に相談や報告ができるし、先生方も卒業生の近況を知ることができます。これは常磐大学の大きなメリットですね。

田上 私たちも安心です。4年間一緒に勉強してきた同期もいますし、大学の先生方や後輩たちとも実習で顔を合わせることもあると思います。

現場で求められる柔軟性学びの習慣化も必要

田上 改めてお聞きしたいのですが、看護師にとって大切な資質や素養とは何でしょうか。

一家 看護師をめざす人は「真面目に頑張る」以上に「柔軟性」を持ち合わせていることが大事だと思います。例えばできないこと、心配なことがあってもそこからどう進むかを考える柔軟性がないと立ち往生します。さまざまに変化する現場で少しでも患者さんのために、良い方向に考えを切り替えられる柔軟性がより必要になると思います。
坂間 その通りですね。大学の立場からいえば、自ら学ぶということが重要です。言われたとおりに勉強するのは当然で、そこから一歩進んで自分で気づき、考えることが学びになります。看護職は常に学び続けることが必要な仕事なので、その習慣を身につけることが大切だと思います。

田上 ありがとうございます。

大学院新設で教育環境を整備選ばれる看護学部へ

坂間 常磐大学は2022年4月から新カリキュラムとなり、新しい環境で学生を迎えます。同時に大学院看護学研究科が開設します。卒業生や臨地の皆さんが看護実践の中で感じた疑問や課題について、大学院を利用して探求することが可能です。それを現場に還元していただき、良い循環をつくっていきたいと考えています。今後も、教育システムを整え、選ばれる常磐大学看護学部でありたいと思います。

田上 そういうキャリアアップもあるんですね。私は水戸医療センターへの入職を控え不安な部分もありますが、まず基礎看護の技術をしっかり身につけたいと思います。

一家 私の入職1年目の時は、できない新人看護師に対して患者さんから「頑張りなさい」と励ましの言葉を頂きました。看護師は患者さんに与えるばかりではなく、患者さんから元気をもらいます。私が看護師を続ける理由は、その恩に報いたいと思っているからです。

田上 そういう考え方もできるのですね。

坂間 私たちは卒業生に「まず3年間頑張ってみなさい」と伝えています。困ることがあれば先輩看護師や私たちを頼ってほしいと思います。3年、4年と経験を積む中で仕事を進める力、乗り越える力が身についてくるので、頑張ってもらいたいですね。

田上 はい、頑張りますので、よろしくお願いします。

社会とつながる学生たち

学生プロジェクト

常磐大学では行政や民間企業・団体と連携して、地域社会の課題解決に取り組んでいます。ここでは座学や実習をさらに進めた、「実学のトキワ」を具現化した学生プロジェクトを紹介します。
① 常磐大学×株式会社マルト商事 ―商品開発プロジェクト―
■プロジェクト概要
新しい商品を求めるスーパーマーケットと、商品開発にチャレンジしたい学生がタッグを組みました。食品学を学ぶ立場から野菜不足を解消するための商品3点を提案。試行錯誤しながら開発した商品が店頭に並びました。

野菜摂取量の増加を目的に
茨城県の野菜を使った商品を

茨城県の野菜を使って商品開発にチャレンジ

健康栄養学科で食品学を研究する飯村裕子准教授の「学生たちに商品開発を経験させたい」という思いと、スーパーマーケットを運営するマルト商事の「新しい商品を出したい」という思いが結実して、実施されたのが商品開発プロジェクトです。開発テーマを検討して提案されたのが、日本人の野菜の摂取量不足でした。茨城県では1日の推奨摂取量350グラムに対して約70グラムの野菜が不足している現状があります。それを補うような商品を作ろうと「野菜摂取量の増加を目的に茨城県の野菜を使った商品」の開発がスタートしました。ゼミ生一人ひとりが考えた商品をマルト商事がメーカーと検討し、興味を持った商品、協力できそうな商品をフィードバック。学生はさらに野菜摂取量、価格設定などの検討を加えました。マルト商事やメーカーとの何回かの打ち合わせを経て、最終的にフレッシュサラダ、野菜餃子、どら焼きの3点に決定。ゼミ生は3つのチームに分かれ、具体的な開発作業に移っていきました。

消費者と開発者の視点で
開発に取り組む

今回の商品開発を経験して、ゼミ生の髙瀬和紀さんは「計画を立てるプロセス、さまざまな意見を聞いてまとめる作業の難しさを感じました。私自身、将来は商品開発をしたいので貴重な経験になりました」、廣瀬和樹さんは「さまざまな企業の方が日夜、商品開発していると実感しました。卒業後は管理栄養士として地域の人の健康を支えたいです」、小出弓加さんは「私たちは栄養に特化した勉強をしていますが、マルト商事さんは販売がミッション。お互いの折衷案を見いだすことの大変さを感じました。さまざまな立場がありますが、食を通して人を幸せにしたいです」と感想を寄せてくれました。

飯村准教授は「最初は不安もありましたが、学生の考えをメーカーさんが上手く商品にしてくださいました。学生たちはこれまでは消費者という立場でしたが、メーカーや販売者と商品開発を行い、開発者の視点にシフトすることで、いろいろな気づきがあったと思います。そこに今回のプロジェクトを経験した学生たちの成長を実感しています」と喜びを語りました。

フレッシュサラダチーム

茨城県産の水菜を中心に多彩な野菜が入った税込み100円のサラダパック。中でもセロリとケールを入れてさっぱり感を出したところがポイント。包装材の選択、野菜選びなど、検討と試食を重ねてたどりついた商品です。リーダーの髙瀬和紀さんは「野菜の種類や重さの設定に戸惑いながらも、試食販売でお客さまに喜ばれてうれしい」と振り返りました。

野菜餃子チーム

マルト商事で販売されているオリジナル餃子をリニューアルしたのが野菜餃子。肉と野菜のバランス、野菜から出る水分の処理など、試食と試作を繰り返して完成しました。リーダーの廣瀬和樹さんは「お客さまが納得して手にしてもらえる商品をめざしました。グループ全員の意見を聞いて方向性を探るプロセスが勉強になりました」と話しています。

どら焼きチーム

ほかの2チームが惣菜の開発をするため、こちらはスイーツで挑戦。白あんをベースに、人参とクルミやレーズンを入れたもの、カボチャとさつまいもを入れたものの2種類を用意。リーダーの小出弓加さんは「皮の厚さや甘さにもこだわり、どんな比率ならあんと合うかを検討しました。最後にみんなの意見が一致して、想像以上に美味しいどら焼きができました」と満足気でした。

健康栄養学科の商品開発プロジェクトは、茨城県産の野菜を使いながら、日本人の食生活の課題である野菜不足を解決。スーパーやメーカーなど、さまざまな企業のパートナーシップで実現することができました。
② 水戸ホーリーホックコラボデー ― 地元サッカーチームの集客数を増やす―
■プロジェクト概要
J2クラブチーム、水戸ホーリーホックの試合前に、魅力的なイベントを実施して、来場者数を増やそうというプロジェクト。4月から検討、準備を重ねて7月のコラボデーでは多くのお客さまに喜んでもらうことができました。

魅力あるイベントを仕掛けて
多くの人をスタジアムへ

イベント企画にチャレンジ

経営学科2年次の村中均教授担当の「マーケティング演習」は、1年次で学んだ理論を実践する授業です。その内容は地元企業の課題に対する解決案の提案と実施で、学生たちはサッカーJ2リーグに所属する水戸ホーリーホックの集客数を増やすイベント企画の取り組みに挑戦しました。グループごとにコンセプトや集客目標、ターゲット、参加方法、プロモーション、必要な物品、協力団体などを検討。プレゼンテーションを経て、決定したのが「キッキングスナイパー」や「フェイスペイント」。
コラボデー当日は、いずれも来場者に好評で、学生たちも達成感を味わいました。

経営学は学びを実践に活かす学問

プロジェクトに参加した学生は「グループで意見を出し合い、全員が納得する企画にするまでが大変でしたが、多くの方に喜ばれてうれしい」「入学した時から受けたかった授業。子どもの頃から馴染みのある水戸ホーリーホックとのコラボは手応えのある学びでした」など、ビジネス感覚を体感したようです。村中教授は「世の中の多くの仕事はグループワークで行われています。学生たちはリーダーシップや協調性を磨く必要性を感じたことでしょう。経営学は学んだことを実践に活かす学問です。知識とともに実践力を身につけて、社会で活躍してほしいですね」と話しています。

地元サッカーチームの集客増を促すプロジェクト。成功させるためには地域やそこに暮らす人々の気持ちに寄り添う必要があります。地域の人がつながり、同じゴールをめざす時に取り組みが実を結びます。
③ 地方自治向上プロジェクト ― 首長と議会の対立から二元代表制を考える―
■プロジェクト概要
広島県安芸高田市の市長と議会の対立をきっかけに「二元代表制を極める」をテーマに決定。現地の取材や全国の議長調査、議員提案条例の運用実態調査などをまとめ、2023年1月22日にシンポジウムを開催しました。

地域の課題を現場で体感して考察
シンポジウムで成果を発表

家庭に眠るフィルムを編集し、昭和の笠間を蘇らせる

法律行政学科の吉田勉ゼミでは、毎年テーマを掲げて調査や考察に取り組み、シンポジウムを開催しています。2022年度のテーマは「二元代表制を極める」。テーマを決める発端は、広島県安芸高田市の市長と議会の対立でした。それに興味を持った学生が、地方自治体の首長と議会という二元代表制を考えようと決定。全国の議長へのアンケート調査、首長や議会への訪問取材を通して、その内容をまとめ発表しました。吉田教授は「多くの人の前で論理的な考えを端的に話すプレゼンテーションは、学生にとって貴重な経験になったはず。
自信を持って就職活動にチャレンジしてほしい」と話しています。

プロジェクト活動で培ったスキルと自信

プロジェクトに参加した横瀬厚人さんは「かなり大がかりな内容になりましたが、達成感がありました。活動を通じて多くの方と知り合うことができ、企業の最終面接でも評価されました」と振り返りました。北村紗弥さんは「議員提案条例の全国議長調査結果報告をしました。不安がありましたが、ゼミ生や先生に励まされて発表できました」、中島唯さんは「準備段階や取材でさまざまな役割を務め、行動力が身につきました。難しいテーマをわかりやすく伝えることの大変さを実感しました」と一人ひとりが確かな手応えを感じたようです。

市長と議会が対立する現場にゼミ生全員で足を運び、そこから二元代表制を考えるという画期的なテーマにチャレンジしました。住みよいまちづくりを実現するためのパートナーシップの在り方を考察しています。

社会で生きる力を育む

京成百貨店との産学連携プロジェクト
京成百貨店プロジェクト
「お客さまの来店動機や物販につながる企画」という課題のもと、地元の百貨店でイベントを企画・実施。ビジネスを実践的に学びます。

グループワークによってマーケティングの考え方と企業のビジネスモデルへの理解を深め、新規事業や起業に対する姿勢、営業や販売につなげる方法論を会得します。グループ内での役割やチームに貢献する重要性を体感できるため、リーダーシップコミュニケーション力協調性がみがかれます。プロジェクトを介して地域の課題を解決することで、自らを成長させ、地域に貢献できる人になれるはず。「働く」とはどういうことなのかを考える機会にもなっており、その後の就職活動への取り組みや社会人意識向上につながっています。

ファッションショーを開催。学生自身がモデルとなり、店内のショップの商品を使ったコーディネートを紹介しました。

農業王国・茨城の耕作放棄地を有効利用
常磐大学ファームプロジェクト
耕作放棄地を活用した「常磐大学ファーム」で、地元農家の協力を得て小麦やそばなどを栽培。収穫物を利用したイベントも開催しています。

「農業王国・茨城」を揺るがす耕作放棄地の増大。この問題を解決する糸口をつかむために、地域のみなさんの指導や協力を得て、学生たちは自分の手で耕作放棄地を耕します。さらには、学生が主導となり、この地で収穫した小麦やそばを活用した各種イベントを企画・実施し、地域を元気づけています。茨城県の潜在的な可能性を見抜き、実際に引き出し、地域の改善に結び付けるこれら一連の実践活動を通じ、学生たちは洞察力企画力実行力コミュニケーション力など、社会が求める基本能力を獲得すると共に、郷土愛を身につけています。

「常陸秋そば収穫祭」や「石窯ピザキャラバン隊」など、収穫物を使ったイベントを実施し、県内外の人びとと交流を深めています。

水戸市と連携し市内学校の食育活動を支援
水戸市学生食育サポーター
学生が食育サポーターとなり、児童・生徒や保護者に対して食育に関する情報を提供するほか、小・中学校での食育活動にも携わっています。

管理栄養士の仕事は、相手の立場になって考えることが重要です。小・中学生への指導を通じて、学んできた専門知識を実践しながら、他者に分かりやすく伝えるためにはどうすべきかを考えるなど、コミュニケーション能力多面的な視野を育てる機会となっています。実際の教育現場では、指導者の手や目が足りないために、家庭科で実施できない授業内容もあるそうです。食育サポーターが補助として入ることで、さまざまな授業が展開できるようになった、との声をいただいています。地元の小・中学校の教育のさらなる充実につながることも期待しています。

毎年多くの学生が水戸市教育委員会から食育サポーターに任命されています。食材や栄養、はしの使い方など、食にまつわることを幅広く伝えます。

看護の力でまちづくりに関わっていく
地域包括ケアシステム
厚生労働省が提唱する「病院完結型」から「地域完結型」の医療への移行の実現を支えるケアシステムを地域社会の現場で学びます。

「地域包括ケアシステム」とは、多職種と協働し、その人がその人らしく、健康に暮らしていくことを支えるためのもの。地域住民・介護事業者・医療機関・町内会・自治体・ボランティアなどが一体となって、地域全体で取り組むことが求められています。看護学部では、地域の病院と連携して学ぶことに加え、地域のフィールドで地域包括ケアシステムの一員として参画し、地域に根ざした看護のあり方を考察していきます。自分が人びとの健康向上に寄与できていると感じられれば、茨城愛も高まるはず。茨城県の健康寿命と平均寿命の延伸につながっていきます。

看護学部は茨城県内の国立病院機構と連携協定を結び、2018 年4月に開設されました。地域に根ざし、人びとの健康課題を解決する看護職をめざします。

「まちゃレーヌ」で町の知名度をアップ
高大官連携プロジェクト
茨城県城里町のイメージ向上を目的に、水戸桜ノ牧高校常北校、城里町役場と連携。城里町の特徴や魅力を伝える取り組みを行っています。

取り組みの一環として、特産の古内茶を使ったお茶テイストのマドレーヌ「まちゃレーヌ」の開発を企画。実現に向けて地域の方々とも話し合いを重ねました。教員から指示されたことを行うのではなく、学生が自分たちで考え、地域のみなさんとコミュニケーションを図りながら物事を成し遂げる。こうした経験を通じ、主体性積極性協調性を身につけ、自己効力感がはぐくまれていきます。将来、どのような職業につくとしても「市民」であることには変わりありません。一市民として自分の住む地域や社会に関心を持ち、行動できる人をめざしています。

食材には城里町の特産品を使用しています。高校の文化祭で販売したり、地域活性化イベント「古内茶庭先カフェ」で提供したりしました。

子どもたちのすこやかな成長を支える
学外での子育て支援活動
地域の親子を対象とした遊びの提案、親子向けイベントの運営ボランティアなど、多様なアプローチから保育を考察します。

水戸市内の子育て支援センターや茨城県立図書館などと連携した活動「パオパオ」において、学生たちが立案した親子遊び用プログラムを実施するほか、常陸太田市が主催するイベント「子子育メッセ」で、託児や受付、イベントの進行などをサポート。いずれの活動も保育現場で役立つスキルを伸ばしながら、子どもやその保護者との関わり方を学びます。実践を通じて子どもの豊かな成長をかなえる環境づくりや保護者への援助について考察することで、将来の自分が保育者としてどのように行動していくべきかを具体的にイメージできるようになります。

子どもや保護者と実際に交流することで、社会から求められる保育者像が明確に。他にもスポーツ大会でのボランティア活動など、地域を身近に感じる機会が豊富。